俳優の近藤正臣さんのひとり暮らしの様子を紹介した番組を見ました。

とてもいい番組で、色々なことに気付かされ、自分自身を見つめ直すきっかけにもなりました。

最愛の奥様を亡くされた後、川と山の自然に囲まれた岐阜県の郡上八幡(ぐじょうはちまん)で、一匹の猫と一緒にひとり暮らしをされている近藤さん。

そんな近藤さんの日常に長期密着した番組です。

山の景色が美しく、なんともセンスのいいお宅。
そして、日々を丁寧に暮らす近藤さんの姿に、すっかり心をつかまれました。

近藤さんのお人柄や考え方にも、どんどん引き込まれていき、とても心に残る番組でした。

なかでも、野生の猿が柿を食べにやってくるというシーンが、特に私の印象に残っています。

近藤さんのお宅のテラスにある柿の木は、実が小さく、人間が食べても美味しくないのだそうです。

それならば、干し柿にしてはどうかというと、干すと実がとても小さくなってしまうので、それもダメなのだとか。
それでも、柿の実をそのままにしておくのは、猿が食べに来るからなのだそうです。

やってくるのは、戦いに負けて、群れを追い出された一匹の元ボス猿。

猿は最初、たくさん実った柿を手当たり次第に食べ散らかして、一口かじっては放り投げるので、まだまだ果肉がたっぷり残った柿の実がテラスに散らばっています。

近藤さんは、
「もったいない。まだ食べられるところがいっぱい残っているのに」
と言いながら、ほうきで掃いて掃除をします。

飼い猫の『やっこ』が家の中からその様子を見ているのですが、窓を開けてやっても、お猿がやってくるのではないかと怖くてテラスには出てこようとしません。

日が経つにつれ柿の木の実が減ってくると、今度はテラスにギリギリまできれいに食べられた柿の皮が落ちるようになります。

それを見た近藤さんは、

「見てごらん。ほら、こんなにきれいに丁寧に食べて」
と言い、ふと見上げると柿の木には、もう実が一つも残っていません。

「ほらぁ、だから最初から大切に食べたらよかったのにぃ」

「もう無いよぉ。これからどうするのよぉ」
とお猿の身を案じるのです。

そして、猫のやっこに向かって、
「もう猿は来ないよ」
と話しかけます。

猿を責めるでもなく馬鹿にするでもなく、ただただ心配している近藤さんの優しさが感じられるシーンでした。

私は見ていて、柿の実が人間にとってのお金や時間のように思えてきました。

たくさんあるうちは、つい無駄に使ってしまい、無くなってしまってからその大切さに気付く。

まだ余裕があると思っているうちは先のことを深く考えずに使ってしまい、そして、無くなってから初めてこれからどうしようと考える。

そんなことを考えていたら、なんだか、しみじみをした気持ちになりました。

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KAKO
成人した二人の子どもがいるお一人様です。これからのことについて色々考えながら、毎日を過ごしています。年を取っても続けられる趣味を持つつもりで、日々の出来事や、思ったことなどを綴っていきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。